第27章 ヒーローになるために
雄英の全寮制が決まり、相澤は生徒たちを集めてHRを始めた。
皆互いの無事を喜び、また、全員が集まれた事を無邪気に喜んでいた。
相澤も、皆無事で本当に良かったと、思いつつも──この全寮制が、単なる人身保護だけが目的でないということを、確りと受け止めていた。
「…オールマイトの引退がなけりゃ俺は
爆豪・耳郎・葉隠以外
全員除籍処分にしてる」
その声が、緑谷たちの耳に重く届く。
「以上!さっ!
中に入るぞ
元気に行こう」
突然声のトーンを変え、くるりと相澤は生徒たちに背を向けて宿舎の中へ入っていく。
その背中を見て、そういえばと緑谷は振り返る。
──やっぱり、いない…。
クラスの最後列。
クラスの皆からは、少し離れた場所。
いつもそこにつまらなさそうな顔をして、立っているクラスメイトが。
今日はなぜかいなかった。