第27章 ヒーローになるために
塚内からの連絡を根津づてで貰い、スーツのまま相澤は流衣を現場へと迎えに行った。
倒れたと聞いたから、いてもたってもいられなかったのだ。
「良かった……」
到着すると、エンデヴァーが流衣の隣で心底暇そうに立っていた。
流衣は倒れたと言うより、眠りこけているように見える。
「子守はしっかりしておけ」
完全に自分の事を棚に上げて、エンデヴァーはさっさと帰っていった。
一先ず安堵し、相澤は流衣を抱きかかえる。
右肩に流衣を乗せ、──そこで流衣が目を覚ました。
「んぅ………消太」
「説教は後だ。まだ寝てろ」
疲れているだろう。
その言葉に安心したのか、流衣はゆっくりと目を閉じた。
そしてそのまま、丸二日、目を覚ましてこなかった。