第26章 少女はヒーロー
──オールマイトさんの言う通りに、エンデヴァーと見張りに当たったはいいけど…
──これ、何もする事無いじゃん。
ああ暇だ、と。
流衣はぼんやりとオールマイトと爆豪がいるであろう建物を見つめていた。
しかし数分後、
「!?」
ジーニストが制圧したはずの、脳無たちが次々に現れてきたのだ。
考えが至るより先に、個性を発動させる。
一瞬で、周囲──否、警察と流衣、そしてエンデヴァーを除いた風景が全て白黒へと変わる。
流衣を中心にして、白黒の風景が円状に広がっていった。
その白黒になった部分は、写真のように動かない。
「どういう事!?何が起こってるっ!?」
「あっちが失敗したんだろう!グダグダじゃないか全く!!!」
エンデヴァーと叫び合う。
その中で、エンデヴァーがただ1人紅く燃え上がり、脳無を圧倒していた。
勿論、流衣も持ち前の身体能力と持参した捕縛武器で応戦する。
次々に出てくる脳無それぞれに個性を発動しつつ、攻撃を加える流衣の額には、薄らと汗が滲んでいた。