第26章 少女はヒーロー
素人に助けることができてしまうのなら、自分たちヒーローは失業してしまうではないか。
それに、──今1番助けることができるのは、
──私なんだから。
実力や個性を鑑みて、助けるに1番適しているのは自分である。
国からも、ようやく許可が下りたのだ。
助けないわけにはいかないだろう。
固く決意し自宅の玄関の扉を開くと、同居人のものではないと思われる靴が目に入った。
男性ものの、スニーカー。
かなり新しい形だ。
同居人は流行りなど絶対に疎いタイプだ。
だとすると──、
侵入者か、それか友人か。
だが、侵入者が靴を丁寧に揃えるなど聞いたことがない。
つまりは、
「おう流衣、帰ったか。お帰り」
答えはもう一方の「友人」、つまりマイクだった。