第26章 少女はヒーロー
「じゃあ今度は救けよう」
切島の言葉に、皆が──否、轟以外の皆が驚いた。
流衣でさえも片眉を上げ、怪訝な顔をしていた。
「「「「へ!?」」」」
「実は俺と…轟さ
昨日も来ててよォ…そこでオールマイトと警察が八百万と話してるとこ遭遇したんだ」
八百万が敵の1人に発信機つけたという内容だった。
静寂が訪れ、そしてそれを飯田が破る。
「………つまりその受信デバイスを…
八百万くんに創ってもらう…と?」
切島は黙る。
それは肯定にも等しい。
「オールマイトの仰る通りだ、プロに任せるべき案件だ!生徒の出ていい舞台ではないんだ馬鹿者!!」
「んなもんわかってるよ!!でもさァ!何っも出来なかったんだ!!
ダチが狙われてるって聞いてさァ!!
なんっっも出来なかった!!しなかった!!
ここで動けなきゃ俺ァ
ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ」
切島のその言葉は、流衣の心を酷く逆なでする。
どうしようもなく友達思いの純粋な気持ちだからこそ、苛立ったのかもしれない。