第26章 少女はヒーロー
「A組皆で来てくれたの?」
両腕が包帯でぐるぐるにされた緑谷が、病室に入ってきたクラスメイトたちの顔ぶれを見て言う。
流衣も来ていたことに、驚きを隠せない。
普段通り、クラスメイトたちから少し距離はあるのだが。
「いや…耳郎くん葉隠くんは敵のガスによって未だ意識が戻っていない。そして八百万くんも頭をひどくやられここに入院している。昨日丁度意識が戻ったそうだ。だから来ているのはその3人を除いた………」
「………16人だよ」
「爆豪いねえからな」
「ちょっ轟…」
「………」
緑谷は無言で天井を見上げてから、悔しそうに言う。
「オールマイトがさ…言ってたんだ。手の届かない場所には救けに行けない…って
だから手の届く範囲は必ず救け出すんだ…
僕は…手の届く場所にいた
必ず救けなきゃいけなかった…!
僕の"個性"は…その為の"個性"…なんだ
相澤先生の言った通りになった…」
──「おまえのは1人救けて木偶の坊になるだけ」
「体………動かなかった…」