第4章 ヒーロー基礎学
男子であるならばそのような性格も珍しくないのだが、女子で自ら1人を選ぶというのは珍しくないだろうか。
轟は個性把握テストの1件から、彼女に興味を持っていた。
目立つ成績は出していないのにも関わらず、それでもクラス中位に食い込む実力。
一般入試1位をあっさりといなしてしまう能力。
本人は無個性だと言っていたが、本当なのだろうか?本当だとしたら、なぜヒーローを目指しているのだろう?警察では駄目なのだろうか?
無個性が嘘だとして、実は個性持ちだったとするのなら──何が目的で、嘘を吐いているのか?なぜ、無個性ということにしなければならなかったのだろうか?
彼女の全てが、違和感に繋がる。
爆豪にあの時何をしたのかも気になるし、──何となく、教師たちとも顔見知りなのかなと思った。その点についても微妙に気になる。
しかし、今の時点でさすがに口にするわけにもいかず。
轟は、小さく頷くだけだった。
「ああ、よろしくな…時暮」