第23章 林間合宿──少女の微笑み
「今合宿の目的は、全員の強化及びそれによる"仮免"の取得…今日から君らの個性を伸ばす。くれぐれも死なないように──…」
眠そうに宿舎から出てきた生徒たちに、相澤は声をかけた。
「雄英も忙しい。ヒーロー科1年だけに人員を割く事は難しい…この4名の実績と広域カバーが可能な"個性"は短期で全体の底上げするのに最も合理的なんだ」
相澤は言うが、
「じゃあ私は?体鍛えてろでOK?」
流衣の本来の目的は、コミュニケーション能力の向上。
加えて、個性もちである事は生徒たちには隠している。
つまり、合宿に来る必要はあまり無かった。
連れてきたのは、家で1人にさせるのが不安だからという、何とも過保護でしかない理由のみ。
「ああ、そうしておけ。筋トレにでも励め」
相澤は軽く返し、他の生徒のところへ行った。