第23章 林間合宿──少女の微笑み
女子会が終わって、自室に戻ると既に相澤がそこにいた。
ちらりと腕時計を見てから流衣は言う。
「…まだじゅっぷんまえ、だけど」
「そのままその言葉をお前に返すよ」
女子会に誘われたとき、言った「10分前までなら」。
それは、5分前から相澤と話す約束をしていたからであった。
うん、と流衣は眠そうに目を擦っている。
「しょーたも、いっしょ…ねる?」
呂律が回っていない。
疲れすぎて、脳が正常に機能していないのだろう、普段ならこんな事は絶対に言わない。
一瞬だけその意味を考え、相澤は突っぱねた。
「馬鹿か、大問題になるだろう」
いかがわしい意味で捉えてしまった事が、悔しい。