第23章 林間合宿──少女の微笑み
風呂上がりから、消灯時間までの短い時間。
それは、高校生にとっては大切な、"女子会"の時間である。
女子はクラスで7人。
一部屋の収容人数は3人ずつで、1人余る計算となっていたが──当然の如く、その1人は流衣となっていた。
合宿の参加目的が、「クラスメイトと仲良くなること」なのにそれでも良いのかと流衣は思ったが、これは相澤なりの配慮らしい。
まともに話した事がなかったクラスメイトたちと寝るまで同じ部屋というのは些か疲れるだろう、との気遣い。
有難くその気配りを頂戴して、流衣は広い部屋で寛ぐ予定でいたのだが──風呂上がり、流衣は麗日に声を掛けられる。
「…今から?」
「そう!ちょっとだけだけどさ、女子だけで話さない?三奈ちゃんは、補習でいないんだけど…」
「消灯時間の10分前までなら良いよ」
と、いう事で。
流衣は、案内されるままに麗日たちの部屋に行く。
元々女子会の予定はあったのか、既に耳郎と葉隠が寛いでいた。