第23章 林間合宿──少女の微笑み
「どうだった」
「んー。まあどうもこうもって感じ。戦闘向きじゃない個性の人たち…口田とか、麗日とかは苦労するだろうね」
苦笑する流衣。
その言い草ということは、──
「全部見て回ったのか?」
尋ねると、うん、と頷かれた。
どうやら「のんびり」来たらしい。
この土地に興味があったのか、それともただ気分が乗っただけなのか。
流衣の心中を推し量る術はないが、しかし早く来たのには、理由があるはずだ。
無言で流衣を見ると、口角を上げて言った。
「やるんでしょ、肝試し。──その日さ、私も補習に呼んでよ。理由は適当につけて、任せるからさ」
「…ブラドと相談してから決める」
この時の結果が、正しかったのか間違っていたのか。
それを図る術はないが、それは遠くない未来を大きく捻じ曲げる事になる。