第23章 林間合宿──少女の微笑み
1時間後、バスが少し広めの空き地に停車した。
キョロキョロと流衣は周囲を見回し、それから相澤の顔を見た。
少し不安げな表情に、相澤はニヤッと笑う。
「察しろ」
「…まじか」
流衣が頬をひくつかせたと同時に、
「よーうイレイザー!!」
元気な声が響いた。
「ご無沙汰してます」
これで、流衣の予感は確信へと変わる。
──マジかよ暴君め…
「12:30までに宿泊施設まで辿り着けなかったキティはお昼抜きね」
ゴゴゴゴと地面が鳴り、そのまま崩れ落ちる。
流衣は溜息を吐いた。
先生達のしたいことは分かった。
ここで何を生徒にさせるつもりなのかも理解した。
しかし、
──攻撃性の低い個性の人にとっては、ちょいと過酷なんじゃないかな…
相澤の顔をちらりと見るも、もうこちらの相手はしてくれないようだった。
どうやら本気らしい。
やれやれ、ともう一度溜息を吐いてから、流衣は──