第21章 過保護と努力
その日の夜、
「…緑谷が、死柄木弔に遭遇したらしい」
料理をしながら、相澤が呟いた。
流衣は相澤に背を向けながらも、その小さな声を正確に拾う。
「災難だねえ。怪我は?」
「無傷だ。話をしていただけらしい」
ふうん、と流衣は頷いた。
クラスメイトの事情には、あまり興味がないらしい。
──クラスほぼ全員で出掛けてたのに流衣がいなかったのは恐らく…
そこまで考えてやめる。
流衣は友達を必要としない性格ではない。
寧ろ同い年の子供たちと比べると甘えたで寂しがりな部分が多く、友達を欲しているように思える。