第20章 期末テスト
──強いていうなら…コミュニケーション能力、か。
自分はクラスで浮いている。
何せ、まともに話したことのあるのが轟と緑谷だけなのだ。
その自覚はあるし、しかし事情に感づかれないためという理由も存在する。それを相澤も理解しているはずだ。
──どうするのかな…
「…組の采配は以上だ。時暮は単独で、俺と行ってもらう。いいな」
にやりと相澤は笑った。
──なるほど。
"無個性"が、どこまで通じるのかを見せろ──そう言いたいのだろう。
つまり、今試験では、肉弾戦一択という訳だ。
「はい」
了承の意を示すと、他の教師たちも満足そうに笑った。