第20章 期末テスト
クラスメイトたちと距離を置いている理由は分かっている。
だが──と思ったところで、流衣は出かける準備をし始めた。
小綺麗に、化粧までしている。
「?おい、勉強はどうした」
勉強しろとは言わないが、先程と言っていることが違いすぎている。
何となく気になって訊くと、流衣はあっかんべーと舌を出した。
「消太教えてくれないんだもん。ひざしくんのとこ、行ってくるのー!」
ひざしくんなら教えてくれるもんね!
──あいつに勉強を教えてもらうんだろ?綺麗なお前を見せに行くのか?
──また、あいつの前で無防備に寝るのか?
職場体験の日、迎えに行ったマイクの家で無防備に寝ていたあの姿を思い出し、
思わずその腕を掴んだ。
「….俺が教える」
出かける時間が無駄だからな。
そう付け加えると、流衣は嬉しそうに笑った。