第20章 期末テスト
そして時は流れ──…
「あ、来週からテストだ!?ねぇねぇ消太、勉強教えて!!お願いっ!」
夕食後、いつものようにリビングで寛いでいた流衣は、スマホを見て、突然慌てだした。
予定表でも見たのかもしれない。
相澤からしてみれば、流衣がテストの日程を知っていた(登録していた)事だけでも驚きだが、それは別問題だ。
そう、問題なのは──…
「何が教えて、だ。お前授業中いつも寝てるだろ。起きて聞いていれば問題ない事だろうが…自力で何とかしろ」
ほぼ毎回、寝ている事だった。
前回の中間テストではそこそこ良い成績──20人中、5番だ──を出していた為に、誰も注意はしていなかったのだが。
それでも担任として、ここはガツンと言おうと相澤は思う。
本気で取り組めばいいものを、手を抜きトップにならず。だがそれでも成績は良いのだから、勿体無いと思う。
宝の持ち腐れというか。
地頭の良さに甘えて勉強しないのは、非常に残念である。
家でも、全く勉強していないのは知っている。
教科書は全てリビングに置きっぱなしだからだ。自室で何をしているのかは知らないが、学校で友達を作らない上に勉強もしないなど、それで良いのだろうか。