第15章 特別な少女
「なに?私に話って。家じゃだめなの」
廊下に出て、教室の扉を閉めて流衣が口を開くと、相澤はこっちだ、と職員室の側にある会議室に誘導した。
家では駄目らしい。
「やあ、すまないね授業中に!
君の意志を確認したくてさ!」
入ると、中央に座っていたのは校長である根津だった。
何の事か全く分からず、流衣は取り敢えずぺこりと頭を下げる。
「どうも」
会議室には根津だけでなく、他にも数名、教師が座っていた。
「ああ、畏まらなくていいよ、すまないね。……今、君のクラスメイトたちはヒーロー名を考えている最中だ。そうだね?」
「はい」
頷くと、根津はそのまま続けた。
「君もその授業、参加してもよかったんだけどね…でも、やっぱり確認しておきたいんだ」
「…はい」
「時暮くん、君は…ヒーローになる気はあるのかい?」
根津の言葉は真剣だった。
だが、だからこそ、流衣には可笑しくて仕方なかった。