第14章 体育祭

「焦凍に興味はないか。残念だ」
「まだ個性婚とか言ってるんですか？
私とは話が合いそうにありませんね」

ですがその点、焦凍くんとは気が合いそうです──そう、流衣は続けた。
安い挑発ではあるが、エンデヴァーにとっては苛立ちの種にしかならない。

「…焦凍が何か話したか」
「いえ別に。ただ、彼…左を使おうとしないから、あなたから受け継いだ個性を憎いのかなと思ってるだけ。私なりの推測ですよ」

「フン…相変わらず、腹の立つ子供だ」
「あらすみません。
…では、これ以上怒らせちゃうと怖いので。ほら、私、か弱いですし……これにて失礼」

そんな言葉が聞こえたかと思うと、流衣の姿は一瞬にして消え去った。
その場に残ったエンデヴァーは、再度鼻を鳴らした。

──お前はどこもか弱くないだろうが。