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【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第14章 体育祭



体育祭後、夜。

自宅にて、流衣は正座させられていた。

「でも私はちゃんとっ」
「でも、じゃない」
「消太だって、」
「俺のことじゃない、今話してるのは流衣の事だ」

1時間ほど、堂々巡りの会話が続く。

要するに、内容はこうだ。

──「相澤の目の届かない場所で、危険な行為(警備の事だ)に及ぶな」。

流衣が心配で心配で仕方ない相澤と、相澤をどうしても守りたかった流衣と。

どちらの言い分も理にかなっており、だからこそ、2人の言い合いは噛み合っていなかった。
この光景を見れば、長年の付き合いである友人も、呆れて溜息を吐くだろう。

しかしここには、友人などいない。
2人きりの空間である。

「お願いだから、心配させないでくれ」
「私だって…消太が、心配だった」

子犬のような瞳で見つめる流衣。
見つめ返す相澤。

それはまるで、恋人のようであり──しかしまだ、少女の方に、感情を自覚する術は無かった。


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