第14章 体育祭
──相変わらず消太は、流衣になると怖ぇよなぁ…
相澤だけは、流衣が警備にあたる事に大反対だった。
生徒をなぜ危険に晒すのだと。
プロヒーローに警備を依頼しているのだから、彼女にさせる必要はないのだと。
──しかしな消太、お前が言いてえのは…「生徒が」じゃなくて、「流衣が」だもんな?そんくらい、俺らは分かってるさ。
──流衣はもう15だ。ガキかもしれねぇが…自分の身くらいは、守れるさ。
彼女の実力を知っているのにも関わらず、警備の類に難色を示すというのは過保護以外の何物でもない。
彼女が負けてしまうのなら、恐らく存在するヒーローの9割以上が勝つことはできない。
理解しているはずなのだ。
それでも懲りずに、"合理性"をかなぐり捨ててまで守ろうとするのは──
──やれやれ。恋は盲目、ってか。
軽く溜息を吐いてから、マイクは首を横に振った。
「さぁな、俺には答えられねえよ」