第14章 体育祭
「なぁマイク」
競技の合間に、相澤が怠そうに口を開いた。
「ん?どうしたイレイザー」
まさか体調でも悪いのだろうか。
ならば、すぐさまリカバリーガールの所へ、と思うも、違うのだと次の言葉で分かった。
「俺、ここに必要か?」
なるほど。
解説は自分1人がしているし、暇なのかもしれない。
この特別席に無理矢理連れてきただけあって、相澤は不満なようだった。
勿論、流衣との約束は2人の秘密となっている。
流衣の警備については学校側に伝えているが、提示された条件は教えていない。
黙っといてねと釘を刺されては、仕方の無い事なのである。
「ま、いいだろ!?ここは特等席だぜ!?」
「………流衣が警備にあたってる事と、何か関係があるのか?」
強い眼力で見られると、尋問されている気分になってしまう。