第14章 体育祭
「なるほどな。…時暮ちゃんがいるなら、他の警備は要らない気がするんだが」
「あー、警備依頼が来ちゃった感じですね?お疲れ様です」
「疑問なんだが、敵襲撃の時、君はどこにいたんだ?君さえいれば、怪我人は1人も出なかっただろう」
「…無個性として通しているので、現場に到着したのは皆の回収の際でした。仮眠室で校長とお喋りしていたんです」
一瞬だけ、流衣は目を逸らした。
負い目を感じているのかもしれない。
流衣が強いとはいえ、まだ若い10代の子供だ。
つい数ヶ月前まで、中学生だったのだ。
対処にも混乱しただろうし、自分が呑気な時間を過ごしている間に仲間たちが怖い思いをしていたのだと知るのは、さぞ辛かった事だろう。
「…すまないな、嫌なことを思い出させてしまった」
カムイが謝ると、いえいえ!と流衣は明るく笑った。
「カムイさんは悪くないでしょう。…私はそろそろ、動くべき体制を整えるよう、学校側に掛け合うつもりですし」