第14章 体育祭
「あなた、ここの生徒よね?」
驚いた様子もなく、ぺこりと頭を下げたのは流衣。
彼女は雄英生徒であるのにも関わらず、戦闘服を纏っていた。
全身タイトな黒服に、底には鈍器となるべく仕込まれている鉄塊という、危険極まりない靴。
加えてポシェットには沢山の捕縛武器があることを、3人は知っていた。
抜群のスタイルが際立つ服装ではあったが、彼女の持ち物故か全くうっとりはできない。
「お久しぶりです、お二方。マウントレディさんははじめましてですかね。私、目立つの駄目らしいんで。…警備をしています」
ほら、メディアが多いでしょう?
そう首を傾げる。
顔だけを見れば、かなり可愛らしい仕草ではあったが、──やはり、服装含めその他諸々、残念すぎる結果だ。
怖い。