第14章 体育祭
「…サボり魔は置いといて、取り敢えず他は揃ったな。よし、じゃあ頑張ってこい」
数秒にも渡る、警戒の視線がなかったかのように相澤は話題を微妙に変え、生徒たちを送り出した。
そしてそれから、根津とオールマイトのいる小さな控え室に行った。
「失礼します相澤です、……本当に流衣にさせる気なんですか」
間髪入れずに不満を口にすると、2人は違った反応を見せた。
「いや、その………うん」
「ああ、彼女が言い出したことだし、ね!」
煮え切らない態度のオールマイトと、はっきりと首肯する根津。
しかし結論は同じ。
それに相澤は苛立ち、携帯端末を取り出した。
プルルルル
流衣に電話を掛ける。
しかし、一向に繋がらない。
「彼女は仕事中だよ、邪魔をするつもりかい?」
「ですが」
「じゃあ、君は彼女の実力に不安があるという事かな?」
「…………」
言い返せない。