第14章 体育祭
教師には何も言われず。
時に(ミッドナイトだけだが)教師に反抗し。
クラスでも浮いた存在で。
ヒーローになるにあたって、コミュニケーション能力はかなり重要だ。
クラスメイトたちと交流する素振りも見せず、授業も碌に受けないのは、問題児としか言えなかったが、なぜ教師は誰も気にかけないのだろうか。
──やっぱり、何か特別な理由が…
理由は全く思いつかないけれど。
それに、
──相澤先生が、「あいつ」って呼ぶのも気になる。名前より、親しい感じがするし。
ヒーローに特別なりたいといった気持ちがある訳ではないというのは、態度からも相澤には伝わっているだろうに。
──いや、でも違う…ヒーローになりたくなったんだと思う、そうじゃないと僕にヒーローについて教えてなんて言わないだろうし…
──でもそれなら尚更、休む理由はないはずなのに。
考え込む緑谷を、相澤はじっと見ていた。
まさか気付いていないだろうな、そういった警戒の色を含めて。