第12章 友達、そして覚悟
それから、私ね、と呟く。
「ちゃんと、この手で守りたいと思ったの。手続きはちゃんとする、でも──知識も、必要かと思ったから」
「…覚悟は、できてんだな」
流衣は静かに頷く。
覚悟。
ヒーローを目指すにあたって、最も重要なものだ──殊に、流衣にとっては。
相澤が最も彼女から遠ざけたかった道。
しかし、こうなれば何を言っても流衣は我の道を進むだろう。
危険だから、危ないから。
そんな相澤の言葉は、どこ吹く風。
流衣の目は、据わっていた。
もう揺るぎない、そんな瞳。
マイクもまた、その覚悟に応えようと思った。
「いいぜ、ヒーロー学関係の本って事だろ?
……良いの見繕ってやる」
──後で校長にも協力を頼んでみっか。
そんな事を思って。