第12章 友達、そして覚悟
「で、頼みって何だ?」
放課後。
一方的に流衣に呼び出されたマイクは、事情も全くわからずに首を傾げていた。
今朝方職員室で放課後待っててね、と呼び出されたのた、何か用があるなら家で言えばいい事。
わざわざ相澤のいない場所で話そうとする意味が判らなかった。
「あのね、…本、一緒に選んで欲しいの」
「本?」
はて。
流衣に、読書の趣味などあっただろうか。
自分から本を読みたいと言うほど、勤勉だっただろうか?
マイクはやはり首を捻るが、それを察した流衣は頬を膨らませてポコポコと友人の胸板を叩いた。
「痛てぇって、わかった、わかった…で?なんで本?」
どこまでも軽い調子に、やはりムッとしていたが、それも一瞬で取り直した。