第2章 少女の名は
そもそも、雄英の入試を無個性で通過できたという時点で不正を疑うレベルだ──ないとは思うのだが。
個性を使いこなせていない自分よりも条件は不利であり、人助けをする事すらできないのだ。
どのような手段を使って合格に辿り着いたのだろうか?
そして、緑谷だけでなく──
「あ゙あ゙!?無個性だと!?舐めてんのかこのクソが!!!!」
爆豪にも、衝撃を与えるには充分だったようで。
「冗談でも女の子にクソとか言っちゃだめでしょ、爆豪くん。入試は1位って聞いたけど…入試ってキレやすさ測定テストだったりするわけ?冷静になりなよ」
完全に悪人面へとなった爆豪にも怯まず、生徒は諭す。
しかし、爆豪にそれは煽りの類としか受け取れなかった。
「っざっけんな!!!死ね!!!!!」
「語彙なさすぎ。それだと頭悪そうにしか見えないよ」