休載P4A 【 My happy definition】
第16章 (アニメの12話)
「白鐘が言っていた、容疑者は高校生の少年。モロキンについても足がついて指名手配」
「そんなタイミングで昨日のテレビだ」
「そうだね、たしかに一致しちゃうか…」
「しちゃうか、って絶対そいつだろルナ。
それにマヨナカテレビで言っていた、捕まえてごらんって言ってたろ」
みんなの考えは納得いくような話であった。それにその男の子がりせちゃんの元にも現れてたり、事件前に接点があったようだ。やはりただの勘はただの勘。外れだったのだろうか。
「なんだ、そんなに納得いかないか?」
隣にいた陽介くんが心配そうに声をかけてくれた。表情に出てしまっていたのだろうか。
うじうじしていたって仕方ない、そっとしまっておこうと思ったが、少し息しずらいこのテレビの中の世界がそっと勇気をくれた。
「ううん、みんなの話を聞いて今回の男の子が容疑者なのは納得いくんだけど、なんだか私の父の時みたいな気がするんだ。私の父もいきなりマヨナカテレビにはっきりと映ったんでしょ?
だからっていうのか、本当にただの勘だから、うまく言えないんだけど、ごめん」
「ありがとう」
「えっ、悠?」
「最近、すこし落ち込んでるかなって思ってたから、それを話してくれて」
「そうだな、あんまり作戦会議の時とかも自分の意見っていうか、そういうの言ってくんなかったじゃん?」
「ルナももっと言ってよ!私なんか的外れなこととか言って空気凍り付いちゃって、情けないけどさ。でも怖いことじゃないよ」
「千枝ってば、別にルナの話は凍りついてないって」
「雪子先輩、話それてるし…ルナ先輩、私頼りないかもだけど何でも話してくださいねっ、完二よりは私の方が聞き上手?」
「なんで俺の名前が出るんだよ!
俺だって、先輩の話聞けるし…任せろっす!」
「みんなっその」
ここでまさか、こんなにも熱く思いをぶつけられるなんて思っていなかったのもあって、思うように言葉にできなかった。
そして、じっと私の言葉を待っているのか、みんなに見られていて恥ずかしい…
「ルナ、まずはここのシャドウを倒して、直接聞いてみよう。それまでは俺たちだって正解はわからない」
「そうそう、とにかく私たちで犯人捕まえよう!
当たって砕けろーっ!」
「進まなきゃわからないもんね」