休載P4A 【 My happy definition】
第16章 (アニメの12話)
7月27日
「私に任せて!」
テレビに入るなり、りせちゃんは気合十分にペルソナを召喚し辺りを探索してくれた。捜査型のペルソナのためか、クマくんの時よりもあっという間に見つかった。
「間違いない、あっち」
ヒミコが向いている方向へと進んで行くと、だんだん古いゲームのような世界に代わっていた。今までは雰囲気が悪い印象が強い世界だったが、ここは空と言えるのかわからないが周辺は明るく気のようなオブジェがあちこちに生えている。
辺りを見回しながら進むといかにもゲームのお城のような建物があった。入り口には“ボイドクエスト”とタイトルがあり、下にはコマンドが表示されている。
「ゲームそっくりだね」
「マヨナカテレビで言っていた、捕まえれるなら捕まえてみろって、ゲーム感覚で言ってたんならラクショーじゃないっすか」
「さぁ、行こう」
悠の声を合図に私たちは建物の中へと踏み込んでいった。建物の中は少し薄暗い。だからといって不気味に感じるわけでもなく、サクサクと歩みを進めた。ずっと囲われた道を進んでいるためか、迷路のようでどこを歩いているのかわからなくなる。
「ナビも任せて、この先は右側に進んだほうがいいかな、反対だと行き止まりになってる」
「りせちゃんのペルソナすごいく助かるよ。毎回はいるごとにこの世界、道とか変わっちゃうから」
「そうだな、りせがいてこれからはすごく助かる。
よし、目指せエンディングっ」
壁からさいころのようなシャドウが複数出現した。
「クマに任せるクマっ!」
クマくんもペルソナを出現させ、満足そうにしている。
「クマもみんなみたいにやってみたかったクマ!」
嬉しそうに話していると、クマくんのペルソナであるキントキドウジは後ろからシャドウのタックルをまともに食らってしまいクラクラと揺れている。
「クマくん気を付けて」
「かっこいとこ見せるクマ―っ」
ブフ系の魔法で攻撃するにも、なんだか見ていて心配になる戦い方だった。手助けしようか悩んだが、クマくんもいいところを見せようと頑張っている。
「クマだけで平気か?」
「平気だと思う」
「ねぇ、千枝と話していたんだけど、マヨナカテレビに映っていた子って犯人じゃないかって」
雪子の発言により、私たちは今回の目夜中テレビに映った人物について話すことになった。