休載P4A 【 My happy definition】
第17章 お出かけ(オリジナル)
突然トーンの下がった声に驚いて足立さんを見ると、悠のことを見ていた。
「足立、さん?」
「あ、いやいや、せっかくいい雰囲気だったのになぁーって」
いつものようにヘラヘラと笑う足立さんに戻っていた。人込みも増してきているので、混雑しているのが嫌なのかもしれない。悠の後を追い、お父さんと菜々子の元へと向かった。
「すっごーーーーくたのしかった!」
「私もたのしかったよ」
「そりゃよかったが、夏休みってだけでこんなに子連れであふれかえるのか…離れるなら声をかけてくれないと心配するだろう」
まだお父さんは心配してくれているようで、申し訳ない。
「ごめんなさい」
「まぁ、足立と一緒にいたみたいだからいいんだが」
「そうそう、僕に任してくれれば大丈夫ですよ!」
「お前はお前でなんで心配させるようなことをするんだ!」
「ええーっ褒めえてくれたんじゃないんですかっ」
帰りは行きの時よりも賑やかで、私は後ろの席で菜々子と一緒にいつの間にか眠りについていた。
手にしっかりとおさまった携帯につながったストラップ。車に合わせて星がパラパラと揺れ動く。
目が覚めた時には八十稲羽の見慣れた星空視界に入った。
足立さんからもらったストラップと空の星を見比べると、私の手に収まった星が何倍にもきれいに輝いて見える。
ずっとこのまま幸せな毎日が送れますように。
また5人でお出かけできますように。
この願いは叶ってくれる、そんな気がした。