休載P4A 【 My happy definition】
第16章 (アニメの12話)
ざあざあと雨が降り続けていた。本当に犯人は捕まって終わってしまったのだろうか。ドキドキといつもとは違う、緊張感の中マヨナカテレビがつくのを待っていた。
犯人は捕まってほしい、けれども別に犯人がいるのではないか、という気持ちが強かった。こればっかりは勘でしかないので、詳しく説明できない。白鐘くんのように私は推理は得意ではないし、悠のようにみんなを導いたりなんてできない。
だからか、あんまりみんなに違う気がする、と強く言えなかった。
もやもやする気持ちが募ってきたとき、消していたはずのテレビが黄色く光り始めたのだ。
「マヨナカテレビ…」
映ったのは、放課後に雪子を待ち伏せしていた気味の悪い男だった。だが、私の父の時のように初めて映ったのにも関わらず、はっきりと映し出されている。
私たちの考えとしては、犯人からの予告がありそしてからテレビに入れられるのではないかと考えていた。
「わかんなくなってきた、とにかく明日はみんなで集まってテレビの中へ行かなきゃだ」
ショート寸前の頭を少しでも冷やそうと自身の手を額に当てた。落ち着いてくると、廊下の方から足音が聞こえてきた。菜々子のものよりもパタパタと大きい。
「ルナ、さっきの」
「うん、見たよ。終わってなかったんだね」
「あぁ、まだ続いてたんだ…俺たちはこれからも集まっていられる…」
「悠?」
最後の方の言葉が聞こえにくく、集まる、なんてワードが含まれているから明日のことだろうと自己解決した。
ただ、すこし悠の様子がおかしく感じる。
「なぁルナ、俺たちは変わらないよな」
変わる、という言葉にどれほどの重さがかかっているのかはわからなかったが、とにかく今は彼へと手を差し伸べたい気持ちでいっぱいになった。いつもなら私のことをしっかりと見てくれている眼差しが、どこか虚ろな目をしている。
「私は変わらないよ、悠と一緒にいるよ。
離れたって、忘れないし遊びに行っちゃうかな」
「信じる」
短く返事をし、悠はそのまま部屋へと戻っていった。きっと彼にもたくさん思うことはあるんだろう。私だって、悠があと半年と少しで帰ってしまうなんて考えたくない。夜になると不安で寂しい気持ちがあふれてくる。
彼も押しつぶされそうなのかもしれない。弱っている彼を見たのは初めてだった。