休載P4A 【 My happy definition】
第15章 可愛い後輩(アニメの11話)
また青い帽子の男の子、白鐘くんが私たちの座っているテーブルに近づいてきた。
「どうやら皆さんがこうして集まるのも終わりのようですね」
「どういうことだ?」
「警察で容疑者が固まったみたいです。もうここからは警察に任せるべきでしょう」
「容疑者が固まったって、誰なの!?」
「それは僕も聞かされてはいません。ただ容疑者は僕たちと同じ高校生だそうです」
言葉のとげとげしさはあるが、白鐘くんはたんたんと決められたことだけを話すように、彼の言葉は感情が感じられない。
「あなたたちのお遊びはここまでですね」
「俺たちは遊びのつもりはない」
「遊びはそっちじゃないの!?
探偵だか何だか知らないけど、あなたはただ謎を解いているだけでしょ?そっちのほうが全然遊びよ!」
「こっちは大切な人殺されてんだぞ、遊びでやってられるか」
「…遊びか。確かにそうかもしれませんね」
「で、名探偵さんはこんなところでどうしたんだ?もう犯人分かったからいらないって追い出されたのか?」
「ちょっと陽介くんっ」
「容疑者が固まった以上、僕の役目は終わりました。
必要な時にしか興味が持たれないというのも確かに寂しいですね、慣れましたけど」
そのまま白鐘くんは去ってしまった。今のは私たちの方が少し言い過ぎだったと思う。確かに彼も挑発的な言い回しであった、だからと言って彼のことをあんなにも否定するのも、気分悪い。
「言いすぎじゃないのかな」
「いや、俺たちだって真剣に取り組んでやってるんだぜ?」
「彼だってそうでしょ?彼の言い方も意地悪だったかもしれないけど、複数で攻めるのはだめだよ」
「私、言い過ぎたかな…」
「次から気を付けよう?ね、陽介くんも」
「そうだな、わりぃルナだってこんなの言いにくいよな、友達に対して」
「陽介くんは優しいんだから、大丈夫」
「ねぇ、もしさっきのが本当なら、もう私たちって集まる必要ないの?」
ぐさりと、なんだか胸を一突きされたような、そんな一言だ。
「まだだ
いや、また雨が降るみたいだしマヨナカテレビチェックしよう」
「うん、そうだね」
悠の言葉でみんなが救われた、そんな気がした。
でも、事件が解決したって私たちは変わらない、絆が深くなってきているんだから。