休載P4A 【 My happy definition】
第15章 可愛い後輩(アニメの11話)
なんだか人の姿になったクマくんは、若干あざとい部分もある気がするが、とても振る舞いは明るく無邪気な子供らしく、いたずらと化されても憎めない、そんな感じだ。
悠たちに合流し、クマくんに勝ったお洋服は思ったよりも高価なもので私たちの手持ちでは足りなかったので、申し訳ないが陽介くんのつけにしてもらった。
「ったく、ホントお前らは…」
「ご、ごめんって私たちだって出したんだし」
「陽介くんごめんね、足りない分やっぱり明日にでも持ってくるよ」
「いやいや、いいって!いや、そうじゃなくってだな!」
「いいじゃんっ!ジュネスのくせに服高すぎ!」
「僕のためにケンカはやめてくれ~」
「うるせー!だいたいお前のせいだろ!」
「ジュネス王子一肌脱ごう」
「鳴上っ!」
あわわわと、悠も入ったと思えばまた千枝と陽介くんの言い合いになってしまった。雪子も止めるのはあきらめたようで、一緒に肩をすくめているとクマくんがピンク色のメガネを悠に渡している。
「これりせちゃんの、クマは完二のとこついていくから、先生たちで渡してくれないかな」
「ああ、わかった」
なにやら巽くんはクマくんとアイスを食べるみたいで、私と雪子は悠と一緒にりせちゃんのいる丸久に向かうこととなった。
「あれ、前にもいた帽子の男の子だよね」
青い帽子がトレードマークの男の子が丸久の前に立っていた。タイミングよく陽介くんに千枝もやってきた。もめてたのは落ち着いたみたい。
「やはりここに来ましたか。今度は久慈川りせを懐柔ですか。
そういえばまだ名乗っていませんでしたね、僕は白鐘直斗。
探偵です。警察と協力し例の連続誘拐殺人事件について調べています」
なにやら少しとげのあるような口調でしゃべる男の子は探偵だという。さらには警察と協力していると、もしかするとお父さんと一緒なのかもしれない。
「探偵」
「ええ、ときに一つ聞かせてもらってもいいですか。
今回の被害者諸岡金四郎さん、皆さんの通う学校の教師ですよね?」
「それが、なに?」
「第二の被害者小西早紀と同じ学校の人間。世間じゃもっぱらそればかりですが、ここは重要じゃない。
諸岡さんはテレビ報道された人じゃないんです。どういうことでしょうね。
まぁ、とにかく皆さんのこと、注目していますよ」
そのまま私たちの言葉も待たずに去ってしまった。