休載P4A 【 My happy definition】
第15章 可愛い後輩(アニメの11話)
愛屋を後にし、モロキンについて何か知っていないかクマくんの元へ行ってみることにした。
だが、ジュネスの家電コーナーがなんだか騒がしく警備員さんが数人集まっている。
「まさか、テレビの言葉れたんじゃねえのか」
「ちょっと俺聞いてくる」
陽介くんが警備員さんに話しかけると、向こうも何か困っているようですぐに話してくれたようだ。何やら熊田とか聞こえた。
陽介くんがどこかげ案内されようとしているので、私たちも後を追ってついていく。と、そこにはマッサージチェアに揺られているクマくんがいたのだ。
「たまらんクマ~」
「クマくんがいるっ!?」
どうやらこの得体のしれないクマくんに警備員さん方も困っていたようだった。確かに見覚えのない着ぐるみが勝手に歩いていたら困るのもうなずける。
「待ってたクマ!」
「クマさん出ちゃっていいの?」
「つか出れるんかよ!」
「そりゃ出口あれば出れるクマ。ただ出るっていう発想がなかっただけクマ。
だけど~みんなといると、そんな気持ちがむっくりでちゃったよ」
「あるな、そういうの」
悠が深くうなずいている、むっくり出ちゃうものなのか。そういえばだが、ペラペラだったクマくんはいつものマスコット的丸みを取り戻している。
「あ、さっき名前聞かれたから、クマだって言っといたクマよ」
「あぁ~、それで熊田、なんだね」
「クマだクマ」
なんだかそう聞いてしまうと、だんだんと熊田と聞こえてくるようになる。言葉とは不思議なものだ。
「おい、それよりお前に聞きたいことあるんだった」
陽介くんのおかげでクマくんのペースからようやく私たちは脱することができた。とにかくマッサージチェアにクマくんは目立つのでフードコートへ移動することになった。
上手いこと着ぐるみみたいで多くの視線をかき集めるが移動はできた。