休載P4A 【 My happy definition】
第15章 可愛い後輩(アニメの11話)
7月10日
ニュースを見て驚くことしかできなかった。まさか毎日のように顔おみていたモロキンが山野アナや早紀先輩のような死に方で死体となっているのが発見されたというのだ。
緊急で悠が連絡を取ってくれて、愛屋に集まることになった。
「くっそ、テレビに映った奴だけじゃないのかよ!
モロキンがテレビに出ているのなんて見たことねぇぞ」
「マヨナカテレビにも映らなかったよね」
「いろいろわかったような気してたけど、全部偶然だったのかな」
振り出しに戻されたような気分でもあった。だんだんと事件の真相に迫ってきているつもりだったのだろうか。
テレビに映っていた人が、犯人の殺人予告としてマヨナカテレビにも映る。
私たちの推理はこうだった。
「マヨナカテレビも関係なかったのかな…」
「そんなはずはない」
「じゃあなんでモロキンが殺されたっていうんだよ」
私たちの考えが的外れになってしまったのが悔しいのか、悠にあたってしまう陽介くん。みんなの気持ちが沈んでしまった。
「警察に捕まえることができない犯人なんて、俺らには捕まえられるわけなんてねぇのかな」
「陽介くん、諦めちゃうの?」
「そうっすよ、そもそも警察には無理だからって始めたんじゃねーのかよ!俺らが家くだけになったら犯人が野放しになっちまう」
巽くんがすごくこの事件について熱く思いをぶつけてくれたが、だれも何も言葉を発することができなく、どんどん空気が重くなっていく。
「はい、おまち」
「俺ら、まだ頼んでないけど?」
「サービス」
あいかちゃんが雨の日限定のスペシャル肉丼をみんなの分用意してくれていた。いきなりのサプライズで思わず笑ってしまった。
「とりあえずいただきまーっす」
場の空気は和らいだものの、今度は胃袋が重くなっていった。食べても食べても底が見えない。あの肉の化身千枝ですらギブアップと言っている。
「食っても食っても底が見えねぇ」
「でも、進み続けていればいつか先が見えるはず」
「そうだよね、いつかきっとたどり着けるよね」
この言葉の通りだとみんなで頷きあい、まさかスペシャル肉丼で私たちの気持ちが一つになるとは思ってもみなかった。
そして私たちは食べきれなかったため、1人3000円支払うことになった。
「サービスじゃねぇのかよっ」