休載P4A 【 My happy definition】
第15章 可愛い後輩(アニメの11話)
私たちが惣菜大学についた時にはキツネはいなくなっていた。親切なキツネもいるんだな、とお言葉に甘えてアイスをいただくことにした。良いこともあったし、今度神社に賽銭投げに行こうかな、ちらりと見える鳥居を目の端に入れながら思った。
「なんつーか、先輩危なっかしいっす」
「そんな一言で片づけられちゃうの、私っ」
「ほら、里中先輩とか天城先輩って一人でもドカーンってやっちゃいそうじゃないっすか」
「それを言われると、そうだねとしか言えないかな」
あの二人はペルソナもだが、1人でそこらにいるシャドウなんて簡単に倒してしまう。巽くんの言う強さが分からないでもない。
「別に先輩が弱いとかじゃなくって、1人で歩いてると勝手に転んでそうっすね」
「もう少しいしっかりしているつもりだったよ!」
「だから、そのほっとけないつっーか」
「私もしっかり頑張るよ」
「いや、守っす」
「おっ、ルナちゃーん!休んでるのっ」
巽くんの声に重なり足立さんの声が聞こえた。おーいと車の中から手を振っている。
「ちっ、コイツかよ」
「あ、足立さんも大人の人なんだから、そんな態度だめだよ?」
「すんませんっす、でも、なんつーか、この人苦手っていうのか」
「まぁ苦手な人はいるもんね、でも言葉は気をつけなきゃだよ」
「堂島先輩ってたまにお袋みたいなこと言うっすよね」
菜々子にもお母さん見たいとか思われているのだろうか。いつもはお姉ちゃんときには頼れるお母さん、かっこいいのではないだろうか。巽くんにはお礼を言っておいた。
そして、足立さんがまだ車の中から呼んでいるのが聞こえる。
「先輩、俺はお袋に頼まれてるのあるんで失礼しやすね」
「引き止めちゃってた?ごめん、でも話せてよかったよ。あんまり巽くんと二人で話す機会なかったからね」
「お。俺でよければ、いつでも話すっるっていうか、どんとこいっす!」
「わかった、今度編みぐるみしよっ!またねっ」
「うっす」
巽くんは大股に歩いて立ち去って行った。別れ際にもまた顔がほんのり赤くなっていた気がするが、外にいたので日焼けになってしまったのかもしれない。
「足立さん、私の肌赤くないですよね」
頬のあたりを指さして見てもらうと、そんなことないよーっと言われた。巽くんは敏感肌なのかもしれない。