休載P4A 【 My happy definition】
第14章 本当の自分(アニメの10話)
「探し物はこれクマか」
「いいじゃねえか、これでぶちのめせるっ」
こぶしを突き上げるようにカードを砕いた巽くん。彼の後ろには大きなあの黒いペルソナ。
「お待たせっす!」
「巽くんのすごい力!よし、私のサポートでさらに攻撃力アップさせるよ」
「うおお、すっげえ力感じるっす」
ほぼ一撃で巽くんはシャドウを一掃してしまった。悠たちも驚いた顔をしている。それもだんだん強い力が味方に付き頼りになることからか、満足げな表情へと変わった。
ステージ上では、シャドウのりせちゃんに囲まれて頭を抱えてしまっているりせちゃん。このままではりせちゃんのシャドウが変化し、襲われてしまいそうだ。みんなで巽くんを中心にシャドウを片付けながらステージへと向かう。
「本当のあたしって、何…」
「だから、あんたは私、私はあんた」
「違うっ」
「ベッタベタなキャラづくりして、作り笑顔なんてまっぴら。よく見なさいよ、ホントのア・タ・シ」
水着を脱ごうと肩ひもに手をかけるシャドウのりせちゃん。りせちゃんから出る次の言葉で、きっとシャドウは先頭に入ってしまう。やめて、と手を伸ばすにも間に合わず、りせちゃんは言ってしまった。
「あんたなんてっ私じゃないっ!!」
「きたぁあああ!!」
シャドウのりせちゃんがくるくるとポールを使い回転すると、大きな爆風により一瞬姿を隠した途端、ポールに絡みつく大きな姿が現れた。
ツインテールがりせちゃんの面影を残し、顔にはアンテナのようなものが刺さっている。そして手から足まで体はすべて虹色の斑模様が流れるように移動している。
「我は影、真なる我」
「なに、これ…」
「りせっ!」
「鳴上、せんぱい…」
強く霧にあたっていたせいか、りせちゃんはそのまま倒れてしまった。
「ルナ、りせを頼む」
「うん、任せて」
千枝と雪子も一緒にいてくれることになり、2人のペルソナがりせちゃんを抱えてきてくれた。苦しそうに息をしているので、ラメトクに回復をかけてもらう。
「りせちゃん、少しでも楽になるかな」
「クマも何かできないか、オヨヨ」
シャドウから何回か緑のレーダーのようなものがペルソナを照らしてきたのだが、これは何なのか。今のところそれにあたって痛みなどは感じない。
だけど、嫌な予感がする。