第13章 まるきゅん(アニメの9話)

そのままりせちゃんを追っていると、私たちとりせちゃんの間に怪しい格好をした男が後をつけているのに気付いた。

「あれが犯人か？」

少し貧弱そうにも見える男だが、怪しげなのは間違えないので私たちはその男を捕まえることにした。巽くんが一番に追っかけ、慌てて逃げる男。りせちゃんのことは悠に任せ私も後を追う。


「まてごらぁあ！ボコボコにしてやるっ！」
「ダメだよーっ被疑者が大怪我したら警察の責任問題なるからっ」
「そんなっ急いで巽くん止めなきゃ」

みんなの足が思ったよりも早く、巽くんと千枝、陽介くんに蹴飛ばされて犯人は押さえつけられてしまった。

「ボ、ボクはただのりせちー好きな一般市民だよ…」
「人殺しておいて何が一般市民だごらぁ！」
「人を殺したぁ？何言ってんだよ」
「話は署で聞こうっ！
くぅー！このセリフ言ってみたかったんだぁ」

足立さんにより抑えられていた犯人は手錠をはめられた。目の前ではサスペンスドラマのような光景が広げられた。

「犯人逮捕、ご協力感謝します！」

そのまま足立さんは犯人を連れて立ち去った。

なんというか、あっけなく終わった。


「これで終わったってことか」
「よっしゃ、事件解決？」
「俺、あんな野郎に攫われたんすか」
「だよなぁ・・」

みんなも同じく、あの男が捕まり事件解決にしてはあまりにも実感がわかなかった。


あたりはいつの間にか暗くなっている。ポケットに入れていた携帯が震えて確認すると悠からのメールであった。内容はりせちゃんと別れ、帰宅するか私たちと合流するかと悩んでいるそうだ。

「ひとまず解散するか」
「そうだね、悠から今メールあって、このまま帰るって伝えておくね」
「おぉ、そうだな。俺らも帰るか―」


終わったと思っていたのに、明日の夜、マヨナカテレビにはりせちゃんが映っていた。それも、前回よりも長い映像が。