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休載P4A 【 My happy definition】

第13章 まるきゅん(アニメの9話)




たくさんのタッパーをすっからかんになってきた棚にしまい、今日使ったキャベツが余っていたので炒め物を作り足立さん用タッパーに詰めた。

「本当にキャベツだけなんですが、食べます?」

作り終えてから聞くのもどうかと思うが、彼なら喜んでくれるという確信があった。

「わー、ホント!味付けも僕好みだし、大事に食べるよ!」
「えー、あだちさんだけずるい!菜々子もおべんとうほしいよ」
「じゃあ夏休みに鮫川までお散歩いってお弁当食べよっか」
「ホント!?たのしみ!じゅんびするね!」

まだ夏休みまでひと月くらいある気もするが、菜々子の楽しそうな笑顔を見るとそんなことも言えず、あとで一緒に荷物のチェックでもしよう。

「菜々子ちゃんはいいなぁ、こんなお姉ちゃんがいて。ぼくも甘やかしてほしいよ〜」
「おい足立、わかってるだろうな」
「えっ、いや、これは別に深い意味なんてないですよ!?」
「私、足立さんにも十分甘い気がするんだけど」
「そうだ、ルナは甘やかしすぎだ、こいつお前の弁当あると、昼休憩まで上の空だったりな」
「堂島さん、言っちゃダメですって!」


いつのまにかお父さんはソファーで眠って、足立さんがぼけっと1人でテレビを見ていた。帰らなくていいのだろうか。

「お父さん眠っちゃった」
「堂島さんも疲れてるんだねぇ」
「自慢の父ですもん」

もう一本飲むかと問えば、じゃあ最後の一本!と足立さんにビールを渡す。すっかり足立さんも我が家のメンバーのような、そんな存在感がある。

「今日は飲みますね、何かあったんですか」
「ん〜、いや、何でもないよ。ルナちゃんおかずに、ぷはーってね」
「また変なこと言ったら、お父さんに怒られちゃう」
「堂島さんガード固いからね。ルナちゃんも菜々子ちゃんも結婚するの大変そう」
「結婚かーまだまだ先の事ですもん、どうなるかわかりませんよ」
「彼氏なんて連れて来たら、まず一発入れられるよ!」
「ふふっ、お父さんそんな野蛮じゃないですって」

想像できちゃって、おもわず笑ってしまった。私までも笑い事じゃないってお父さんにキツく言われてしまいそう。でもそんな過保護な面もお父さんの好きな所の1つだ。


「長居しすぎちゃった、そろそろ帰るね」
「はい、気をつけてくださいね」
「悠くんにご馳走様って言っといて」


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