休載P4A 【 My happy definition】
第13章 まるきゅん(アニメの9話)
ある日の堂島家
「足立さんだ」
「こいつも晩飯食いたいって言うんで連れてきてやった」
「ちょうどよかった、今日悠はバイトでいないみたいで、わたしすっかり忘れていたから4人分作っちゃってたの」
「ラッキー!」
ガヤガヤと玄関が騒がしくなると、菜々子が部屋から飛び出してきた。今日はお父さんが帰ってくるとあらかじめ連絡が来ていたので、普段より晩御飯の時間は遅くなるが菜々子と待っていたのだ。
「あだちさん、ラッキーだね!」
「菜々子ちゃん聞いてたのかい、そそっラッキー!」
冷やしておいたビールをテーブルに並べ、今日はロールキャベツとシチューを作ってみたので、それらを温めなおす。シチューのジャガイモはいい感じの柔らかさ。
「今日はまた豪華だな」
「お弁当多いからね、普段食べないの作ってみたよ。キャベツもジュネスで安くなってたし」
「僕、キャベツ大好きなんだよね!うれしーや」
「じゃあ、足立さんにわたしの分1つあげますね」
「遠慮なくもらっちゃうよ」
菜々子には食べやすいよう小さめに作ってみたが、いい感じだ。足立さんのお皿には4つのせ、テーブルに並べていく。
「へぇ、あんまりロールキャベツってのは食べたことないが、上手いんだな」
「堂島さんもキャベツの魅力わかっちゃいましたか」
「いや、これはキャベツっていうより、スープとかの味付けなんじゃないのか、よくわからんが」
「お姉ちゃんのごはんは、おいしいんだよ!」
「ありがとう、菜々子もいっぱい食べてね」
「うん!」
食事が終わりお皿洗いしていると、足立さんがずいっと大きいサイズのビニール袋に入ったタッパーを渡して来た。
「随分ためましたね」
「あははー、一応洗ってるからね?
キャベツの炒め物が特に美味しかったよ」
「本当にキャベツ好きなんですね、じゃあキャベツ料理がんばっちゃお」
「そりゃ嬉しいや、僕の頑張る励みになるよ」