休載P4A 【 My happy definition】
第12章 林間学校(アニメ8話)
巽くんが学校に来るようになり、お父さんも仕事が落ち着いたのか、久々に4人でご飯を食べることになった。
「はい、肉じゃが作ってみたよ」
「ん、ぁあ、ありがとう」
なんだかお父さんの様子が何か考えているのか、上の空みたい。菜々子と一緒にご飯を2人が座っているテーブルへと運ぶ。
「お前たち、巽の染物屋に行ってたらしいな。足立から聞いたぞ。何してたんだ」
「友達の付き合いで」
私はあまり余計なことを言って心配かけたくないので、黙って二人を見つめていた。
「妙なことに首を突っ込んでないだろうな」
「ケンカ?」
嫌な間が流れ、どうしようか悩んでいると菜々子のおかげで何とか一息つくことができた。
「いや、お話ししていただけだ」
「ホント?あのねお姉ちゃんのこのジャガイモおいしいんだよ」
「どれ
あぁ、確かに旨いな。俺好みの味だ」
「よかった。最近あんまり作れてなかったから」
「そうだったのか。バイトか?」
「うん、悠が菜々子のこと見てくれるから、安心だよ」
「あんまり無茶するんじゃないぞ」
菜々子は眠りつき、悠はお風呂に入っている。
「まだ眠らなくていいの?」
「少しゆっくりしているのもいいなって」
コーヒーを入れてあげると、お父さんはお礼を言い口にしてくれる。そういえば、と今度行われる学校行事をお父さんに伝えることにした。
「17日に林間学校あるんだよ。お父さん、この日帰ってこれるかな。菜々子一人にしちゃう」
「もうそんな時期か。あぁ、できる限り帰るようにはする」
「ありがとう。悠もいないし、久々に一人にしちゃうから心配で」
「なぁ、そういや最近、ずいぶん仲良くなったんだな」
誰のことだろうと、お父さんの視線を追えばお風呂場。悠のことだろうか。
「最近ジュネスの陽介くんに、千枝と雪子とよく遊ぶの。それでかな…あとは家族なのによそよそしい気持ちもあってね」
「そうか。いや、お前もだぞ。あいつもだがルナにも変なことには関わってほしくない」
「ありがとう。私は大丈夫。お父さんに足立さんもいてくれるし」
お父さんの勘はよく当たると思う。さすが刑事と言わんばかりのもの。これから巽くんのほかにも被害者は出てしまうと思う。なるべくお父さんに心配は書けないよう行動したいが、そんなに広くない町だ。今後もばったり会うことがあるかもしれない。