休載P4A 【 My happy definition】
第10章 熱帯天国(アニメの7話)
5月18日
巽くんがマヨナカテレビにはっきりと映ったため、ついに私もテレビデビューをすることに。ジュネスの大きなテレビを前にすると、すこしドキドキと緊張したがみんなを追いかけるようにして入っていった。
足元がふわふわとした気もするが、気づくとそこはひどく霧でおおわれて、テレビスタジオを連想させるような照明が高い位置にいくつもぶら下がっている。
さらに床にはサスペンスドラマにあるような人の倒れた跡が白や黄色など様々な色で描かれている。
「ルナってば、ここ初めてだよね?ジュネスのあのテレビから入ると、毎回ここにつながってるんだって。だから違うテレビから入ると、危ないとこに行っちゃったりするから、あのテレビって決めてるの」
「そうなんだね、それにしても霧がすごいね。ギリギリみんなの顔が見えるくらい」
「おっ、そうだクマ!ルナちゃんにも、あれあれ!」
「ほほほーいっ!」
私と父のシャドウと戦った時にもいた、あのマスコットのクマがどこからか現れていた。ピコピコ鳴る足音がかわいすぎる。
「このメガネは、ルナちゃんへの熱くホットでハートな想いを込めて作った、クマからのラヴッなメガネだクマ!
かけてかけてー」
「いや、熱込めすぎだろーがっ」
「ありがとう、クマくん」
クマから手渡された、ほんのり温もりを感じるメガネはラベンダー色をしている。そういえば、テレビに入ってからはみんなメガネをかけている。
「えっ!!」
「え、えっ!?どうしたの、雪子?」
「鼻メガネはどこっ」
「ちょっと、それはいいってば雪子」
「もういっちょほほほーーいっクマ」
てってれてーん、と効果音付きで用意されたのは鼻付きメガネ。実際に見るのは初めてな気がする。
「さぁ!!」
「さぁって、ルナちゃんつけたくなかったら、無視していいんだよ」
「いや、ルナなら似合う」
「え、悠が言うなら、そうなのかな」
「ルナちゃーーん!?何??そんなに悠の後押しが聞いちゃったの!?」
「どうかな??」
生まれて初めての鼻メガネ。雪子と千枝が大爆笑してくれ、さらには悠がぐっと親指を立ててくれた。いけるのかもしれない!
「俺、ルナちゃんまでこんな感じだなんて知らなかったかも」
「まだまだだな」
「な、なんだと悠っ」