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休載P4A 【 My happy definition】

第9章 おにいちゃん(アニメの6話)




走っている間に、悠と雪子も合流しており、まだ後ろから声が聞こえているので私たちは走り続けた。


「まいど」
「え、走りながら?愛屋さんすごい!」
「出前、お届けに来た~」

「俺ら、絶賛移動中なんだけどっどうやって場所分かった!」

「お会計1600円」


千枝はお財布を見ると、小銭がなく走りながら雪子に100円を借り、無事にお釣りを500円受けとった。

「じゃ、どんぶり置いといて~」

「どこにだぁあああああ」


千枝たちの器用さもすごいが、陽介くんのツッコミが優勝かもしれない。




アンダーパスのあたりまで走ると、巽くんの姿も見えなくなって、ようやく一息つけることに。千枝は座って肉丼を食べている。


「千枝、おいしい?」
「なんていうか、ほっかほか~」


雪子の質問に幸せそうに答えている。なんだか小動物的な癒しを感じた。


「はぁ、陽介くん引っ張ってくれてありがとう。
はぁ…でも、ほんとすごく疲れた」

正直立っているのもつらいくらい。運動会でもこんなに必死に走らないよ。


「いや、俺も急に引っ張っちゃって悪かったな。
てゆーか、愛屋も里中もすげえな。俺、走りながら金なんて払えないし、息するのもやっとって感じなのに肉食えねぇっての」
「千枝は肉好きだからね」
「ぷっ、ふふっ、ルナってば、みんな知ってるのに、ふっふふふ、千枝がお肉好きなのっふふ」
「雪子がツボ入っちゃった」
「ホントお前らすげえな」

はぁーーっと千枝に並んで座ると、肉丼にいにおいがしてお腹がぐぅっと鳴ってしまった。


「ルナちゃんもお腹すいてるのか」
「こ、これはっ、あまりにもおいしそうな匂いに、ついね!」
「よし、俺たちも頼むか」
「悠、ちょっとそんな意味じゃないからっ」


雪子が爆笑している中、こんなにもお腹が鳴っただけでからかわれて、結局みんなでいつの間にか笑っていた。






夜中の0時。マヨナカテレビが映った。こないだよりも鮮明に、また奇妙に。褌1枚に巽くんがくねくねとポーズを決めていた。はっきり映っているのが見える。これは巽くんが誘拐された、ということなのだろうか。




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