休載P4A 【 My happy definition】
第9章 おにいちゃん(アニメの6話)
5月16日
「それでは、稻羽市連続誘拐殺人事件特別捜査会議を始めます」
陽介くんのそれっぽいような長いタイトルを始まりに会議がスタートした。マヨナカテレビにんはやはり巽完二くんが写っていたと、みんなの意見が一致した。
そして、巽くんの家である染物屋さんへと調査へ行くことにした。お店に入ると、入り違いに青い帽子を深めに被った少年が出て行った。あまり若い子が出入りするようなお店ではないので、不思議に思うも、染物が好きだなんて素敵な男の子だとも思える。
「まだあの子帰ってきてないのよ」
「っ、このスカーフどこかで」
「これって山野アナの!?」
悠や千枝たちには心当たりがあるようで、そのまま話を着ていると。巽くんのおばさんがこの赤く素敵なスカーフは、山野アナのオーダーメイドだと教えてくれた。
手掛かりになりそうな話が聴けたため、外へ出ると先ほど入れ違いになった男の子と巽くんが話していた。
こっそりと盗み見ていると、巽くんに見つかってしまい急いで撤退。また後日巽くんの様子を監視することになった。監視していれば、攫われてしまう瞬間に犯人を押さることができる。
「じゃあ、私とルナ、花村で追跡するね」
「俺、ルナちゃんと2人でいいんですけど」
「うっさい!ほら、追いかけるよ」
「ラジャー!」
「ルナちゃん、ノリノリなのね~」
放課後、校門前で昨日の男の子と会っている巽くんを追いかけることになった。悠と雪子は染物屋の近くにある神社で待機。
コソコソと隠れるも、陽介くんに距離が近すぎて離れてる意味なくすぐに見つかると言われてしまうが、探偵ぽくて面白い。
「おい、こらぁ、何してんだてめぇら」
千枝が愛屋に出前を頼んでいると、巽くんに見つかったしまった。そして千枝は肉丼を一人で2つ食べるみたい。そんなにもお腹すいていたなんて。
「え、えっと、通りすがりのバカップルです」
「えっ、絶対嫌だ!」
「それなら三角関係なのかな」
「って、お前ら昨日の!!」
「いや、私たち別に二人のこと見てないし、怪しいとか思ってないし!」
「えええ、ちょっと陽介くん!」
「私を置いてかないでよっ」
陽介くんに引っ張られるまま、この場から逃げることに。千枝はすぐに追いつき一緒に走ってはいるものの、巽くんはすごい勢いで追ってくる。