休載P4A 【 My happy definition】
第9章 おにいちゃん(アニメの6話)
「ほい、ビフテキいっちょ!」
ジュネスの屋上フードコートでパラソル付きのテーブルを確保し昼食をとることにした。バイト中の陽介くんが運んでくれえた。
「よく噛んで食べるんだよ?あんまりいいお肉じゃないから」
「いや、フツーそれ俺の前で言う!?」
陽介くんもバイト休憩のようで一緒に座って、みんなでいただきますをする。思えば友達と外食なんて初めてな気がする。学校では友達と一緒でも、外で遊んだりとかは滅多になかった。
「陽介くん、おつかれさまだね」
「あんがとーそんなん言ってくれるのルナちゃんだけだぜ」
「いいよいいよ、花村なんてほっといて、肉肉~」
「せっかくのゴールデンウイークなのに、ここなんだよーこんな店じゃ菜々子ちゃんかわいそうだろ」
「こんなお店じゃかわいそう」
「復唱しなくていいから…」
するとジュネスの放送で、いつものCMが流れた。
「あ!えぶりでぃ・やんらいふ・じゅ・ねす~♪
ジュネスだいすきーっ」
少し気が落ちていたようにみえた陽介くんが菜々子に感激して、菜々子を見る目がとてもキラキラしている。
「今日は、菜々子ちゃんルナたちと遊ぶつもりだったの?」
「うん!髪の毛むすんでくれたの!」
「おおールナがお姉ちゃんしているっ」
「意外と器用なのね」
「雪子、意外って何よー」
「じゃあ、鳴上くんはお兄ちゃんか」
千枝が何気なく言った一言に菜々子がぴこん!とアンテナが立ったように反応したので、どうしたのかと見てみると。嬉しそうにつぶやいた。
「おにいちゃん」
「今度、悠のことそう呼んでみたら?」
「えっ、うん」
違和感か何かを感じるのか、ぎこちない返事をするものの、すこし柔らかい表情をしているので、気に入ったことには違いない。
「じゃあ今度菜々子ちゃん審査員で、料理対決しよう」
菜々子と話している間に、よくわからないことが決定されていた。私も参加なのだろうか、作るのはいいけどみんなの分作んなきゃいけないのかな。雪子や千枝も反応しているので、みんな参加するみたい。
「この人が菜々子ちゃんのママよりおいしいの作れるかな」
「お母さん、いないんだ。事故で死んだって」
気づけば、陽介くんは知らないことだから仕方ない。フォローしようと何を言う考えるよりも、先に菜々子が答えてくれた。