休載P4A 【 My happy definition】
第9章 おにいちゃん(アニメの6話)
「私もみんなに協力したいから、父に手紙おくってどうしてテレビに入ってしまったのか、聞いてみようと思ったの」
名案だ、と頷いてくれた。あまりいい返答に期待することもできないが、試してみる価値はあるはず。ただ手紙の内容を読まれても大丈夫なのか、不安も残る。
「助かる、少しでも犯人の手がかりが掴めればいいんだけどな」
「少し話が変わるんだけど、話したくって。
やっぱり父のこと、憎みきれないんだ。母が殺されちゃった時、なぜか父は泣いていたの。
ただ感情が高ぶっていたからか、後悔していたのか、それともこれから自分が捕まるかもしれないって思って泣いたのかもしれないけど、父も人間なんだなって」
悠は黙って聞いてくれていた。きっと悠たちにとって父はたたの殺人犯。施設なんかじゃなく、きちんと警察に捕まり法で罰せられるべきだと思っているはず。私だって、そう思うこともある。
「シャドウの私のように、何度かいなくなればいい、死んじゃえばいいって思ったこともあった。でも、やっぱりどんなことがあっても、私の両親だから、情が移っちゃうの。今も助かってよかったって、安心してる」
「ルナがそう思うなら、それでいいんじゃないか?
俺はルナが思ったこと、考えていることを受け止める。仲間であって、家族でもあるんだからな」
「うん、ありがとう。こんな話ししたのはじめてなの。
きっとシャドウの私のおかげ。何だかスッキリした!」
たしか冷蔵庫にアイスが入っていたはずだ。こんなにも自分のことを話したのは初めてで、緊張や恥ずかしさがあり少しでも頭を冷やしたい気持ち。菜々子と私の分で買ったアイス。明日、新しいものを買っておこう。
「悠、はい、アイス食べて」
「ありがとう。
そうだ、おじさんからの電話で、ゴールデンウィークに取れそうだった休みが取れなくなったらしい。菜々子とルナのこと頼まれた」
「そっか、菜々子残念がるよね。
私のバイトは、陽介くんが心配して日数を減らしてくれたんだけど、その分1日の出勤時間増やしちゃったから下手すると夜まで帰ってこれないの。
早く帰ってもいいって言ってくれてるけど、私も働いているんだからきちんと働きたいんだ」
「じゃあ休みの日には菜々子と遊ぼう」
「うん、3人でゆっくりしよう」