第9章 おにいちゃん(アニメの6話)

５月２日

数日休み、だいぶ調子が良くなった。テレビの中の空間やシャドウとの戦闘、それも自身のシャドウとなるととてつもない疲労・体調不良となってしまうらしい。

お父さんにも心配され、これは夜桜とあったため私の心が乱れ不安定になってしまったと思ってくれた。その理由で学校も休むことができてよかった。

「ルナ、菜々子ただいま。
今日はジュネスで弁当買ってきたから、これ食べよう」
「お兄ちゃんおかえり」
「おかえりなさい」

あれ、今呼び捨てな気がした。いやここ最近呼び捨てされていた。悠くんとの距離が縮まった気がして、うれしくもある。

「悠くん、いつの間にか“さん”無くなってるね」
「このほうが呼びやすい」
「私もそれなら悠って呼ぼうかな」
「ルナ、よろしく」
「あらためて、よろしくお願いします、悠」
「なんかおかしいねっ」

本当におかしくなって３人で笑いながら弁当を食べ始めた。最近のお弁当は思っていたよりもおいしく感じた。やるなジュネス。

おいしく味わっているところに家の電話が鳴った。ななこがお父さんからと喜び電話に出るが、すぐに声のトーンが落ちて悠に変わった。

「お姉ちゃんのこと、大丈夫かっていってたよ。だからもう元気だよっておしえたよ！」
「ホント？お父さんに教えてくれてありがとうね、菜々子」