休載P4A 【 My happy definition】
第8章 (私の話②)
「えっ、え??ジュネス?」
「びっくりするよねー私も最初はすごく驚いたよ」
「なあなあ、この人どうすんの?悠んとこの叔父さん呼ぶ?」
「そうだな、もし何かあっても心配だし」
「うん、私も賛成だよ。このまま放って置いて、逆にわからないところへ行っちゃうの、やっぱり怖いから」
みんなで話し合い、私からお父さんに電話することになった。たまたまジュネスにみんなで来たところ私の父がいた。そして父を保護してもらえるようお願いしてみる。
ちょうど父の目も覚めて、急に自分が見覚えのないジュネスにいることに驚き、大人しくしている。
「ちょうど仕事も片付いたみたいで、今からジュネスに来てくれるって」
「じゃあ入り口で待ってるか」
まだすこしふらふらする私を気にかけてか、悠くんがまた手を繋いでくれた。私からもきゅっと握り返すと、悠くんと目があった。なんだか嬉しくて悠くんも笑ってくれていた。
ジュネスの入り口で待っていると、すぐにお父さんが来てくれた。ひどく心配していてくれて、笑ってみせると頭を撫でてくれた。父は警察署に連れていかれまた施設へ戻ることとなった。テレビの中で話してから父との会話はなく、父のここまで来た目的もわからずに離れることになった。私はきちんと父は罪を償い生きていくと信じている。ここで父が自身のシャドウと対面したことには意味があったはず。
私がこうして勇気をもらい、力を手に入れたこと。父にもなにか正しいことにその力を使ってほしい。
父のことを忘れず、手紙でも書いてみようと思う。過去のことを許したとは言えないが、私も何か一歩踏み出してみようと思う。