休載P4A 【 My happy definition】
第8章 (私の話②)
私がみんなを傷つけている。怖くて震えて怯えた獣。でも、私が踏み出せない勇気をシャドウの私は持っている。私も彼女みたいに、いや、彼女は私なんだから、できるはず!
「やめて!!」
「守られてばっかりで、うるさいのよ!」
「そうよ、私はいつも守ってもらって、あの時だってお母さんが守ってくれた。そして遼太郎さんたち、千枝、雪子、陽介くん、悠くん。そして、私も。」
「な、なに言ってるのよ!!」
「さっきお父さんに突き飛ばされた時だって、私を庇ってくれた。ナイフ、当たらなかったもん。それに、私がいつまでも、うじうじしてるから、私が心配してくれたんだよね」
「や、やめなさいっ、アンタなんてアンタなんてっ必要ないのよ!」
「今がチャンスクマ!!」
クマさんの掛け声に合わせ、次々と悠くんたちは一撃を加えていった。いつのまにかシャドウの私は私の姿に戻っていた。
「私ニ、負ケルナンテッ」
「負けてなんかないよ、助けてくれたありがとう。
貴女は私。ごめんね、ずっと隠していて、忘れていて・・」
私の忘れていた勇気、戦う勇気。私は強い心を持っている。
「でも、この強さは、誰かを傷つけるためなんかじゃなくって、助けるために使おう。もう私みたいに辛い思いをしてる人がいなくなるように」
「ウン、貴女ダッテ、ワタシ、ナンダモンネ」
私の手を握ると、シャドウの私も強く、優しく握り返してくれた。すると、シャドウの私は光の影となり、和装をした大きな白い虎が二本足で立っていた。
“私はラメトク。勇気の雌獅子
貴女の力となりましょう”
節制の絵の描かれたタロットが私の手の上に現れた。これが私の力。
「これがルナちゃんのペルソナクマ!!」
「ペルソナ」
「すげー強そうじゃん!俺のよりデカイし!」